バイオマーカー

バイオマーカーはNIHにより「正常時あるいは病態時の生物学的変化、治療に対する薬理的応答に関して、客観的な測定と評価ができる指標」と定義されています。

アクロバイオシステムズが提供するリコンビナントタンパク質にはEGFR, HER2, PCSK9, SOST, PDCD1, CD3, CD20, CD19といった、診断や治療のバイオマーカーとして有用なものがあります。

これらの製品は疾病のメカニズムを解明する研究に広く使われています。

HER2

ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)は受容体型チロシンキナーゼで、よく研究が進んでおりNeuまたはERBB2とも呼ばれます。

HER2の増幅や過剰発現による異常な活性化が乳がん患者の30%で認められており、再発や予後の不良に関係すると考えられています。

HER2はPI3K経路やRas/ERK経路といった下流のシグナルカスケードを調節することにより細胞の増殖および分化を制御します。


  • 図1. リコンビナントヒトHER2 タンパク質

    [Thr 23- Thr 652 (Accession # AAA75493), Cat # HE2-H5225 ] はヒト293細胞(HEK293)から発現

    純度:>95%DTT還元SDS-PAGEによる

    エンドトキシン: 1.0 EU/μg 未満 (LAL法による)

  • 図1
  • 図2
  • 図3
  • 図2. バイオマーカー模式図

    HER2, VEGF, IGF はがんの増殖および進行に関与します。バイオマーカーを標的とするタンパク質製剤が、大腸がんの第II相、第III相臨床試験、および市販後臨床試験で評価されています。

  • 図3. rhHER2の生物活性 ELISAによる結合測定

PD-1 / PDCD1

PD-1(Programmed cell death protein 1)は、主にT細胞とプロB細胞の表面に発現します。PD-1は負の免疫応答を示し、炎症性サイトカインの産生とT細胞の増殖を抑制します。

PD-1が機能するためには、リガンドであるPD-L1と結合することが必須であると考えられています。

PD-1とPD-L1の相互作用が阻害されるとPD-1による免疫抑制が働きません。


近年、PD-1は複数のがんにおいて薬物ターゲットとして注目されています。PD-1のモノクローナル抗体(Nivolumab)が非小細胞肺ガン、悪性黒色腫、腎細胞ガンに有効であることが臨床試験で示されました。

Nivolumabを投与された多くの患者で部分奏功から完全奏功と判定されました。


PD1とPD-L1の相互作用

エンドトキシンや非ヒト由来物質は、ヒトに対して免疫反応を引き起こします。

ヒト細胞を用いた実験、特に細胞治療など臨床に関わる実験において、コンタミネーションは実験系に著しい変化を与える要因となります。

ActiveMax® サイトカインは、血清および動物由来成分を含まない、組成が化学的に明かな培養条件で生産します。ActiveMax® サイトカインは、完全にゼノフリー、エンドトキシンフリー(1.0EU/μg未満)です。

図4

図4. PD1とPD-L1の相互作用

  • 図5. ヒトPD-1完全長リコンビナントタンパク質

    [Pro 21 - Leu 288] (Accession # NP_005009.2) HEK293細胞を使って発現

    DTTで還元したタンパク質はSDS-PAGEで45-60 kDaに検出される

  • 図5

表1. 完全長PD-1(rh full length PD1)と細胞外ドメインPD-1(rh PD1-ECD)のヒトPD-L1 Fc キメラに対するEC50の比較

図6

図6. 完全長PD-1(rh full length PD1)と細胞外ドメインPD-1(rh PD1-ECD)のELISAでの結合活性の比較

完全長PD-1タンパク質(カタログ番号 PD1-HC214)で作製したELISA(2μg/ml、100μl/ウェル)により、ヒトPD-L1 Fc キメラ(カタログ番号 PD1-H5258)を20-200ng/ml の範囲で定量できた。

バイオマーカー製品一覧

表1. バイオマーカー製品表