Gravity PLUS™ プラットフォームの利点

生体環境類似性

生体器官類似の生理学的パラメータ

ラット肝臓組織から形成されたスフェロイド(以下、マイクロティッシュ)中での生理学的パラメータとしてのアルブミンおよび尿素分泌量は2次元培養された細胞および2次元培養細胞のサンドイッチや、従来の方法で作製されたスフェロイドと比較し、より生体に近い値を示します。これは生体内に類似した機能を保持していることを示しています。

図.1 各種生体器官類似組織の生理学的パラメータ(Adapted from Meng Q, , Expert Opinion Drug Metab Toxicol, 2010)


生体内と同じ細胞構成

GravityPLUS™プラットフォームを使用したマイクロティッシュ作製では、1ウェルに1個のマイクロティッシュが形成されるため、細胞構成を生体内と似せたマイクロティッシュの作製が可能です。ヒト膵島マイクロティッシュでは、α、βおよびδ細胞の構成比が生体内と類似していることが示されています。

図.2 細胞構造の構成比


微細構造形成

HepG2マイクロティッシュ断面の電子顕微鏡画像(左)では毛細胆管の存在と、デスモソームによる細胞間の密接な結合が形成されていることが示されています。感覚ニューロンから作製されたマイクロティッシュ(右)では、神経節類似の構造が形成されています。

図.3 微細構造形成の観察図(Adapted from J.M. Kelm et al. (2003) Biotechnology and Bioengineering)


特異体質性薬物毒性(IDT)の検出

GravityPLUS™プラットフォームを用いて作製された共培養モデルはより生体類似の環境を実現しています。下図はヒト肝臓マイクロティッシュをTrovafloxacin±LPS(左)およびLevofloxacin±LPS(右)で処理を行った結果です。Trovafloxacin+LPSの毒性を検出していることが観察できます。

図.4 特異体質性薬物毒性の検出

ヒト肝臓マイクロティッシュを使用して細胞内ATPを指標とした肝毒性の評価を行った結果。2次元培養系では検出できないTroglitazoneの毒性を検出可能であることが観察できます。また、他の2剤には反応していないことも観察できます。

図.5 2次元培養では検出不可能な毒性を検出可能


生体での薬効予測性

2 次元培養では高投与量でのみ毒性が発現することが知られている Acetaminophen の場合、マイクロティッシュを用いた試験では生体同様、低投与量で毒性が発現することが観察されています(左図)。

また、2 次元培養では薬効なしと判断される化合物3 の薬効も正しく評価されます(右図)。

図.6 生体内と同じ薬効を再現

長期培養可能性

機能性

ヒト肝細胞から構成されるマイクロティッシュは4 週間以上にわたり高いATP を示し、アルブミンの産生も持続します。これはマイクロティッシュ中の構成細胞が長期間にわたって均一な生存率を保つことを示し、また、長期間にわたって機能を保つことを示しています。

図.7 一定期間にわたって均一な生存率と機能を保ちます


代謝酵素の誘導

ヒト肝臓マイクロティッシュ中での薬剤によるCYP3A4活性の誘導を観測した結果。3週間以上にわたり誘導可能であることが観察できます。

図.8 作製22日後のヒト肝臓マイクロティッシュの10μM Dexamethasone/Rifampicinを用いた48 時間暴露による誘導 (LONZA社とのコラボレーション)

幅広いモデルの構築

プライマリ細胞や細胞株由来のモデル構築

GravityPLUS™ プラットフォームを用いることで3 次元マイクロティッシュ化できる細胞種はNCI パネル中の85%以上の細胞株をはじめとする細胞株のみでなく、幅広い範囲のプライマリ細胞のみも含みます。

このプラットフォームを用い、お客様のご希望のマイクロティッシュをカスタムで作製します。

カスタムマイクロティッシュ作製サービス

図.9 様々なプライマリ細胞や細胞株への適用


共培養系の構築

GravityPLUS™ プラットフォームを用いることで、3 種類までの細胞を用いた共培養マイクロティッシュの作製が可能です。 単独では3次元化が困難な細胞に対しても3次元化が可能であり、共培養系を考慮するとNCI パネル中の95%の細胞種に対してマイクロティッシュの作製が可能です(左図)。

また、細胞間の相互作用や細胞間の環境をより生体内と似せることが可能になるため、免疫担当細胞の導入等、単独の細胞種からなる3 次元モデルでは実現が困難な複雑なモデルの構築や、単独では特性や薬剤反応性が変化してしまう場合、より生体内類似の環境を実現するin vitro アッセイ系の構築も可能です(右図)。

このプラットフォームを用い、お客様のご希望の共培養マイクロティッシュをカスタムで作製します。

カスタムマイクロティッシュ作製サービス

図.10 共培養モデル

均一性とサイズ制御

GravityPLUS™ プラットフォームを用いて作製されたマイクロティッシュは、他の方法で作製されたスフェロイドと比較して、サイズの均一性に優れています。サイズのばらつきは細胞種によって若干異なりますが、5~7% 程度におさまり、施設間・個人間の差異も小さく、再現性も良いことが示されています( 左図)。

また、サイズは細胞数を変化させることによって簡単に制御可能です(右図)。

図.11 ヒト肝臓マイクロティッシュ作製におけるサイズの再現性

再現性と自動化適用性

GravityPLUS™ プラットフォームに用いられているSureDrop™ をはじめとする技術により、簡便かつ再現性高くマイクロティッシュを作製可能です。また、標準的な規格の自動化装置に適合しており、マイクロティッシュ作製やアッセイ等を自動化可能です

多様な測定系

GravityPLUS™ プラットフォームでは、GravityPLUS™ システムそのままで測定を行うことも、長期培養・アッセイ用にデザインされたGravityTRAP™ プレートに移して測定を行うこともどちらも可能です。

GravityTRAP™ プレートを用いることで、顕微鏡観察を含む様々な測定系にプレートのまま適用することが可能になります。

図.12 適用可能な測定系