多くの薬剤では、薬剤と受容体を含むターゲットとの相互作用によって薬効が発現します。
また、ターゲット以外と薬剤との相互作用によって副作用が発現することもあります。多くの場合、アンタゴニストでは80%の受容体占有率が必要であるのに対し、アゴニストでは5~10%の受容体占有率で反応が生じることが知られています。
このようにターゲット占有率は薬効や副作用を予測するために重要であるにもかかわらず、その値は計測可能な生化学的アッセイの値等から計算式を経て算出されることが多く、現実の値との誤差が問題となり得ます。最近ではフローサイトメトリーの進展により、この方法を用いた細胞ベースの測定法も採用されていますが、依然として生体内での反応とは異なり、ヒトでの予測性には難があります。また、モデル動物等を用いた場合は蛍光あるいは放射性物質ラベル済化合物を用いての測定も可能ですが、それでもなお低い再現性、面倒な前処理や後処理、高価なコスト等の問題が存在します。
Intanaのソリューション
Intana Bioscience社ではFCS/FCCSを利用し、細胞中および組織中での薬剤によるターゲット占有率を正確に計測するための技術を開発しました。
薬剤処理細胞の溶解とラベル済抗ターゲット抗体およびプローブ化合物とのインキュベーションFCS/FCCSによる測定この方法では、薬剤で処理した細胞/組織を破砕/溶解し、溶液中にラベル済の抗ターゲット抗体/ペプチド/アプタマー等と薬剤と競合的に結合するラベル済プローブを混合してインキュベートし、そのFCS/FCCSによる測定結果から占有率を算出します。
この技術を用いることで、細胞を用いた薬剤の各濃度での占有率を測定可能です。
占有率の経時変化を追うことも可能です。
この技術を用いることで、動物試験における用量による占有率の変化やその経時変化を追うことも可能です。
ヒトの臨床サンプルにも適用可能です。