製品・サービス
目次
Touchlight
Touchlight社は独自の細胞フリー酵素的DNA技術でDNA製造を革新します。従来のプラスミドDNAよりも高速・高純度・高拡張性のDNA生産を可能にします。
Touchlight社
用途に応じたカスタムDNA(設計から製造まで)を提供します。同社の技術プラットフォームは独自の細胞フリーDNAシリーズに基づいており、dbDNA™はウイルスベクター向け、z-dbDNA™はIVT用、mbDNA™は遺伝子編集用テンプレートに最適化されています。いずれも細菌発酵を使用しないため、細菌由来配列やエンドトキシン、耐性遺伝子などのリスクを回避し、高い純度と患者安全性に貢献します。
主な製品やサービス
Touchlight は、独自の dbDNA™ 技術により高純度・細胞フリーDNAを製造し、RUO からGMPまで拡張可能なソリューションを通じて、次世代遺伝子医薬の開発と臨床応用を支援します。初期設計からGMP製造まで、最適なコンストラクト設計、スケール適合性、規制順守を実現する個別最適アプローチを提供します。
カスタムDNA製造の進め方:
- Touchlight社のコマーシャル/アプリケーション担当と共にプロジェクト計画を策定します。
- 50 µgのpDNAをご送付いただくか、DNA合成の手配をTouchlight社で実施します。
- 専任のプロジェクトマネジメントチームをアサインし、各工程で状況をご報告します。
- dbDNA™/mbDNA™/z-dbDNA™ をご納品します。
- アプリケーション支援:細胞フリーDNAをお客様のワークフローへ円滑に組み込み、定期フォローでスケールアップと治療の患者様への到達まで成功を後押しします。
主要技術プラットフォーム
Touchlight社のコアコンピタンスは、Phi29 DNAポリメラーゼによるテンプレートDNAの迅速な増幅と、プロテロメラーゼTelN酵素によるDNAのコンカテマー切断、そして個々の共有結合で閉鎖された線形dbDNA™分子への環化です。この製造手法は、従来のpDNA製造が直面していた課題を根本的に解決する、複数のコアメリットをもたらします。酵素的生産プロセスは、従来のpDNA製造よりも5倍以上速く、数週間でグラム単位の生産を可能にし、GMPグレードの製品をわずか5日で製造できます。
1. dbDNA™:細胞フリー酵素的DNA生産技術
dbDNA™ (doggybone™ DNA)は、両端が共有結合で閉じたヘアピン構造を持つ線状クローズドDNAで、ヌクレアーゼ分解を受けにくく、in vivo/in vitroの安定性が高い「ミニマル」ベクターです。細菌配列や抗生物質マーカーを含まないため不要な免疫原性の低減が期待でき、DNAワクチン用途にも適します。AAV製造ではpDNA代替テンプレートとして有効性が示され、力価向上・カプシド品質改善に寄与。報告例ではDNA投入量を最大50%削減しても、pDNAと同等のin vivo発現を達成。
2. z-dbDNA™:IVT RNA生産に特化
z-dbDNA™は、in vitro転写(IVT)用に特別に最適化されたDNAテンプレートであり、mRNA、自己増幅RNA(saRNA)、環状RNA(circRNA)の生産に理想的です。pDNAと比較して、z-dbDNA™はIVTの生産量を大幅に向上させ、同量のテンプレートでmRNAの生産量を50%増加させることができます。また、その製造プロセスは、従来法で必要とされるマスターセルバンクを必要とせず、前臨床開発およびGMPグレード生産のプロセスをさらに簡素化します。さらに、このプラットフォームは、最大120個のアデニン(PolyA)テールを持つ複雑な配列を容易に合成でき、RNA治療分野での応用おける柔軟性を大幅に高めます。
3. mbDNA™:高効率遺伝子編集のための革新的テンプレート
mbDNA™(megabulb DNA)は、非ウイルス性遺伝子編集用に設計された、新しい一本鎖環状DNAテンプレートです。その一本鎖で環状というユニークな構造は、細胞毒性を顕著に低減し、細胞生存率を向上させます。これは、細胞の健康が極めて重要視される遺伝子編集応用において特に重要です。応用と性能に関して、mbDNA™は相同性指向修復(Homology Directed Repair, HDR)の優れたテンプレートであり、初代ヒトT細胞で最大75%という高いノックイン効率を達成できます。この技術は、エレクトロポレーションや脂質ナノ粒子を含む複数のデリバリー方法に対応しており、遺伝子編集のワークフローに大きな柔軟性をもたらし、研究者や開発者に高効率かつ低毒性のソリューションを提供します。
Touchlight社的dbDNA™技術は、細胞フリー酵素合成DNAプラットフォームとして初めてFDAのドラッグ・マスター・ファイル(DMF)承認を獲得しました。さらに、dbDNA™を用いた初の治験薬 (IND) がFDAに承認されたことを発表しました。実験室での革新的な技術が、正式にヒトでの臨床試験段階に移行する道を開きました。