概要と課題
ポリエチレングリコール(PEG)ならびにポリサルコシン(PSR)は二官能性の直鎖ポリマーであり、その鎖長および分子量分散度は広い範囲の値を取ります。Iris Biotech社では、これらのポリマーのそれぞれの末端に官能基を付与するためのプラットフォームを有しており、数多くの種類のホモ二官能性およびヘテロ二官能性のポリマーをご提供することが可能です。
合成ポリマーキャリアの代替物と目される物質の中で、一般的にポリペプトイドおよびポリサルコシン(PSR)は、安全性、合成制御および多様性という点で特にポテンシャルが高いといえます。デンドリマー、ポリマーミセル、ポリプレックス、ポリマー-タンパク質複合体、マイクロおよびナノ粒子、ポリマーソームおよびナノチューブを含む、複数の薬物送達系において既に使用されていることもそのポテンシャルの高さを示しています。
多くの種類の末端官能基を導入することが可能で、PSRはもともとヘテロ二官能性(-COOH、-NH2)であることからも、PSRを用いたヘテロ二官能性ビルディングブロックの設計は特に多様かつ実現しやすいといえます。機能性ポリサルコシンは、多くの異なる分野のアプリケーションにおいてイノベーションを創出する絶好のチャンスを提供します。
ポリマー合成には、下記のような課題があります:
第一に、PEGおよび他の親水性ポリマーの(カスタム)合成・精製には、高度なノウハウが必要です。これらのポリマーはほとんどの溶媒中で高い溶解性を示すため、合成および特に精製が困難な課題となります。出発材料および生成物が通常同様の溶解性を示すことから、沈殿、結晶化、分液、ひいてはカラムクロマトグラフィーのような通常の精製に用いられる技術では、この種の化合物の合成過程において中々良好な精製結果が得られません。
第二の課題は、UV吸収または蛍光検出のための良好な発色団がないことです。各製造段階における不純物、収率、品質に関する正確で信頼性の高い情報を得るためには、製品固有の分析方法が必要となってきます。
合成をご依頼の際には、下記のご要望をお伝えください。
- ポリマーの鎖長と分子量
- 頭側の官能基
- 尾側の官能基(他の官能基で代替出来る場合はその候補もお知らせ願います)
- 量(g単位からkg単位まで)ならびに通常合成とcGMP合成のどちらをご希望か
非GMPカスタム合成に加え、Iris Biotech社がご提供可能なPEG化合物のいずれも、cGMPに従ってkg単位で製造することが可能です。詳しくは
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ください。
開発プロジェクトについて
特定の分子の合成経路、収量および純度を正確に予測することは非常に難しい課題ですが、Iris Biotech社では適切な生産ルートを見つけるために、標的化合物に到達するための手法を練り、研究と複数の予備実験を実施し、堅牢なプロセスに発展させるサービスをご提供しております。
一般的な課題としては下記のようなものが挙げられます
- 次代においても通用する、持続可能な製造の基礎としてのラボスケールde novo合成ルート開発
- 効率的な技術を選択しプロセスの効率を向上させるための、既存の合成ルートの最適化又は再設計
- 目的の分子を得るためのパテントフリーな技術の検索
これより複雑な課題には、受託開発契約として実施されます。
この契約には下記のような開発プロセスを含みます。
- バイオコンジュゲーション
- 分析またはマテリアル開発における特定のアプリケーションに適切な分子またはポリマーの探索
この一連の研究開発は、通常ラボスケールからバルクまでの化合物の製造を含め、持続可能でスケーラブルな合成経路の開発につながります。
コスト計算に関しましては、FTE(Full Time Equivalent)ベースおよびマイルストーンに基づくFee for serviceとなります。
お客様のニーズにあった化合物をご用意し、プロジェクトを円滑に進めるお手伝いをさせていただきます。Iris Biotech社のサービスをぜひご活用ください。
お客様の合成手法に倣ったサンプルの受託合成
緊急に入手する必要のある化合物があるにも関わらず、物理的なスペースや人的資源の不足といった問題を抱えるお客様の代わりに、Iris Biotech社の経験豊富なスタッフがサンプルを合成いたします。
Iris Biotech社は、お客様の合成プロセスを豊富な専門知識で忠実に再現、実行いたします。
プロセスに関するすべての事項は、厳密に機密保持契約によって守られます。
プロジェクトが終了した際には、Iris Biotech社の専門スタッフによって包括的に文書化された手順をお渡しいたしますので、簡便にプロセスを追跡し、再現性を保つことが可能となっています。