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Hisタグ用アガロースレジン
Cube Biotech社では、サイズが小さいこと、免疫原性が低いこと、天然条件や変性条件、さらには界面活性剤や各種の添加剤の存在下でも安定であることから、アフィニティタグとして広く使用されているポリヒスチジンタグを用いたハイパフォーマンスアガロースをご提供しております。
ヒスチジンのイミダゾール環に対して遷移金属イオンが優れた親和性を示すことから、固定化金属アフィニティクロマトグラフィー(IMAC) はHisタグが付加されたタンパク質の精製に使用されています。
Cube Biotech社ではハイパフォーマンスPureCube IDAアガロースおよびNTAアガロースを提供しております。この製品は以下のような特徴を持っております。
✔ 物理的および化学的に安定なアガロースレジン
✔ アガロースビーズの均一性に起因する高い再現性
✔ IDAおよびNTAリガンドのどちらも提供可能
✔ ご希望の金属イオンを配位した状態でも、金属イオンなしの状態でもどちらもご提供可能
特定の金属を配位したIMACレジンについての詳細な説明は以下のリンクをご参照下さい。また、その他の金属を配位したIMACレジンをご希望の場合はお問い合わせ下さい。
どのリガンドと金属イオンを選択すべきかは対象となるタンパク質とその用途によって異なります。詳細はページ下部をご参照下さい。
注: Hisタグタンパク質の培養上清からの精製やプルダウン実験ではPureCube Hisアフィニティ磁気ビーズをご使用になることをお勧めします。ウェスタンブロットでのHisタグタンパク質検出用にタグ特異的抗体もご用意しております。
IDAとNTAの比較
図1. に示される様に、iminodiacetic acid (IDA)およびnitrilotriacetic acid (NTA)キレートリガンドはニッケルとHisタグのイミダゾール環の間と類似した相互作用をサポートします。
これらのリガンド間ではまず、サイズが異なります。IDAは小さく、高密度にレジンに結合し、高い結合能を誇ります。
一方、IDAの配位数はNTAより少数です(オレンジ)。
結果として、IDAレジンからは金属イオンが溶離しやすく、NTAと比較して溶離タンパク質の純度は低くなります。

図1
【IDA と NTA】キレートリガンドとしての nitrilotriacetic acid (NTA)とiminodiacetic acid (IDA) は Ni2+とポリヒスチジンタグのイミダゾール環の間の相互作用を同様の形式で補助しますが、NTAは Ni2+と4点で配位するのに対し、IDAは3点で配位します(オレンジ)。この相違が得られた精製タンパク質の品質に大きな影響を与えます。
柔軟なキレートイオンの選択
PureCube IDAおよびNTAレジンは、標準ではHisタグタンパク質の精製用にニッケルを配位しております。
リン酸化されたタンパク質やジンクフィンガータンパク質のように異なった特異性が要求される場合、あるいはHisタグタンパク質に対してニッケルの場合とは異なる特異性が必要となる場合、ご要望に応じて異なる金属イオンを配位した状態でお届けします。
図2.ではニッケル、鉄、銅、コバルト、アルミニウムおよびそれらの混合物を配位したレジンが示されております。
お客様ご自身で金属イオンを導入されるための金属イオンを含まないPureCube IDAまたはNTAアガロースもご提供可能です。

図2 【PureCube Hisアフィニティレジンへの柔軟な金属イオンの配位】
IDAおよびNTAレジンは用途に最適な金属イオンを配位することが可能です。(Fe:鉄, Ni: ニッケル, Cu: 銅, Co: コバルト; Al: アルミニウム)
異なる金属イオン間でのアフィニティと特異性の比較
異なる金属イオンを配位したレジンはHisタグタンパク質に対して異なるアフィニティと異なる特異性を示します。
一般的にはコバルトイオンはIMACに使用される金属イオン中では最も高い特異性を示し、精製後のタンパク質は高い純度となりますが、相対的に収量は少なくなります。
銅イオンは逆に最も高い親和性を示し、高い収率を誇りますが、非特異的な結合も示します。異なるタンパク質に対しては異なる金属イオンが最適となることがあります。
例えば、亜鉛はジンクフィンガータンパク質に対して使用され、アルミニウムイオンや鉄イオンのように4価のイオンはリン酸化タンパクに対してよく使用されます。特定のタンパク質の精製に対して最適なレジンを探索する場合、異なったキレートリガンドと異なった金属イオンを検討することが推奨されます。

図3 【IMACに通常使用される金属イオン間の親和性と特異性の比較】
IDAまたはNTAレジンに異なった金属イオンを配位させることにより、精製タンパク質の純度と収量を最適化するために必要とされるアフィニティと特異性間のバランスの調整が可能です。
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