特殊な用途にNi/Co代替金属アガロースレジン

固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)は芳香族窒素原子やリン酸との多様な相互作用を利用した様々な用途で用いられています。

個々の利用する相互作用に応じて、幅広い範囲の金属を配位したNTAおよびIDAレジンが作成されています。

ニッケルにかわって用いられることが多い遷移金属としては、銅(Cu)、鉄 (Fe)、亜鉛 (Zn)があげられますが、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)やジルコニウム(Zr)も用いられます。

利用例は非常に多岐にわたりますが、代表的なものとしては以下があげられます。


▶ リン酸化タンパク質およびペプチドの精製(Fe, Ga, Al, Zr)

▶ ジンクフィンガーや銅結合タンパク質の精製(Zn, Cu)

▶ Hisタグタンパク質の精製に複雑な特異性が必要な場合(Zn, Cu, Co)

図.1 【PureCube Hisアフィニティレジンの示す柔軟な金属の配位能力】 IDAおよびNTAレジンはどちらも用途に最適な金属イオンを配位することが可能です (Fe: iron, Ni: nickel, Cu: copper, Co: cobalt; Al: aluminium)。


幅広い遷移金属イオンを配位したNTAおよびIDAレジンや、金属を配位してないNTAおよびIDAレジンの提供が可能です。

代替の方法として、特にサンプルの容量が少ない場合には取扱いが容易なPureCube Hisアフィニティ磁気ビーズをご使用頂くことも可能です。

リン酸化タンパク質の精製

IMAC法、特にFe-NTAやGa-NTAはリン酸化タンパク質やリン酸化ペプチドの質量分析のサンプル前処理の一環として広く用いられています。

分析対象となるリン酸化タンパク質の種類やサンプルのその他の条件によってはその他の遷移金属、例えばジルコニウムやアルミニウムを配位したNTA やIDAレジンが適していることがあります。

また、サンプル前処理に磁気ビーズが適しているケースもあります。

ジンクフィンガータンパク質の精製

活性化のために亜鉛の結合が必要なHisタグジンクフィンガータンパク質を精製する際、ニッケル-IMACのかわりに亜鉛-IMACを使用することが推奨されます。

亜鉛配位レジンはHisタグタンパク質の精製の際に優れた特異性を示し (図.2 参照) 、アクティブサイトに結合している亜鉛のニッケルによる置換を防ぐことができます。

同時に亜鉛-IMACレジンを用いることで、亜鉛に対するジンクフィンガータンパク質のアフィニティを利用し、タグなしのタンパク質の精製を行うことも可能です。特に植物からの抽出物で有用ですが、同様に銅-IMACを利用することにより、銅結合タンパク質の精製を行うことも可能です。

異なる金属イオン間でのアフィニティと特異性の比較

異なる金属イオンを配位したレジンはHisタグタンパク質に対して異なるアフィニティと異なる特異性を示します。

一般的にはコバルトイオンはIMACに使用される金属イオン中では最も高い特異性を示し、精製後のタンパク質は高い純度となりますが、相対的に収量は少なくなります。

逆に銅イオンは最も高いアフィニティを示し、高い収量を誇りますが、非特異的な結合も示します。タンパク質の精製の際に最適なレジンを探索する場合、異なったキレートリガンド (IDAまたはNTA)と異なった金属イオンを検討することが推奨されます。

図.2 【IMACで使用される金属イオンのアフィニティと特異性】 IMACレジンに様々な金属イオンを配位させることにより、純度や収量を最適化するためにアフィニティと特異性を調整することが可能です。

Ni/Co代替金属アガロースレジン製品リスト(大容量にも対応可能)

表.1 Ni/Co代替金属アガロースレジン製品リスト