siPOOL™ 概略

siRNAとは

siRNA(small interfering RNA)とは21-23塩基対から成る低分子二本鎖RNAであり、遺伝子の不活化のために広く使用されています。siRNAの用途は基礎研究にとどまらず、薬剤スクリーニングのためのモデル作製やターゲットバリデーション、あるいは治療用途でも使用されています。

siRNAの最大の欠点の一つは現在使用されているsiRNA試薬の多くはしばしばターゲット以外の遺伝子に対する影響(off-target効果)を示してしまうことです。


siRNAはマイクロRNA同様、6塩基程度を共通にする部分的に相補的な配列の遺伝子発現を阻害することがあります。そのため、1種類のsiRNAにより、幅広い範囲の遺伝子の発現が阻害され、阻害される遺伝子の予測は困難です。この結果、siRNAによるターゲット遺伝子の阻害の表現型への効果はoff-target効果により覆い隠され、実験の目的を達することが困難となることがあります。

ターゲット遺伝子への効果はそのままにoff-target効果を持つsiRNAを希釈することによりoff-target効果を低減するために、複数の合成siRNAを組み合わせたプールとして使用したり、ターゲットのmRNAを基にしたテンプレートをエンドヌクレアーゼ処理することによりsiRNAを得る方法esiRNA (endoribonuclease prepared siRNA)等が開発されましたが、前者ではoff-target効果の希釈を実現するために十分な数のsiRNAを合成するためにはコストがかかること、後者では未切断2重鎖RNAを除去した後も比較的様々な長さのRNAが存在し、非特異的なインターフェロン応答が生じることがある等の問題がありました。

siPOOL™

siPOOL™は30種類の特別にデザインされたsiRNAから構成されるsiRNAプールです。配列は正確に定められており、また、長さは均一です。siPOOL™は以下のような特徴を持ちます。


✔ 合理的な価格

✔ 単独のsiRNAと比較して優れたノックダウン効率を示します

✔ off-target効果がほとんど見られません

✔ 1種類のプールで遺伝子ファミリーやシグナルカスケード全体を同時にノックダウン可能です

✔ インターフェロン応答を引き起こしません

✔ 結果の解釈のためのバリデーションが最小限で済みます

✔ siRNAのスクリーニング等、余分な作業は不要です



表.1 siPOOL™とsiRNA用各種試薬の比較

原理

個々のsiRNAはターゲットとなる遺伝子を阻害するとともに、ターゲット以外の遺伝子についても配列特異的なoff-target効果も示します。

同一のターゲットに対する複数のsiRNAのプールを使用することで、ターゲット以外の個々の遺伝子の阻害に供される可能性があるsiRNAの濃度が減少し、ターゲットに対するノックダウン効果は維持しつつ個々のsiRNAが持つoff-target効果を希釈することが可能になります。

図1

図.1 (左) 低い特異性:多くのoff-target効果 表現型への影響がターゲットのノックダウンのみによるものかどうかバリデーションが必要

図.1 (右) 高い特異性:最小限のoff-target効果 結果の解釈のためのバリデーションが最小限

siTOOL™製品とサービス

siTOOLs Biotech社では、特定のターゲットに対するカスタムsiPOOL™、複数の遺伝子に対するsiPOOL™から構成されるカスタムsiPOOL™ライブラリ作製サービスを提供しております。

また、評価用として対象遺伝子を限定したトライアルパッケージのご提供も可能です。

RNAi実験デザインについてもご相談下さい

初めてRNAi技術を使用される場合、その実験デザインを完璧に行うために多くの困難と長い時間が必要となります。

siTOOLs Biotech社ではハイコンテンツRNAiスクリーニング、遺伝子ノックダウン技術およびsiRNAのデザインの各分野における経験をもとに、遺伝子ノックダウンのためのsiRNAプールおよびsiRNAプールのライブラリのデザインおよび生産に関する多くの知見およびノウハウを保有しており、実験のデザインからサポートさせて頂きます。

製品リスト

表.2 siPOOL™製品リスト