安定同位体ラベルOD培地

安定同位体ラベルOD培地

安定同位体でラベルされた培地中で微生物を培養することにより、簡便かつ安価に同位体ラベルされた生体分子を得ることができます。

Silantes社では、大腸菌や酵母を用いた安定同位体ラベルサンプル作製のために最適な培地を開発しました。

同社のOD培地は高い成長速度や細胞密度および優れた外来タンパク質の収率を再現性良く達成するように最適化されています。OD培地は単に最適化の手間を減らすだけでなく、発現効率の点でも従来のグルコースを添加した培地より優れています。

OD培地中で培養することによって、大腸菌は素早く増殖し、株ごとに決まったOD(Optical Density)値に到達します。従来のリッチ培地と異なり、ラベルされた培地とノンラベルの培地で増殖特性やOD値は変化しません。

適切なOD培地を選択することで、大腸菌を正確に狙ったスケールで培養することができ、経済的です。また、培養結果の再現性にも優れています。

利点

培地の合成

培地はラベルしたバクテリアの水解物を原料とし、主としてアミノ酸や低分子量のオリゴペプチドを含んでおり、炭水化物をほとんど含みません。

元となるバクテリアはラベルされた無機物を基質として活動する微生物です。この製法によってSilantes社の培地は製造コストが低く、安価に提供可能です。

培養密度の調節

OD培地を用いることで、大腸菌は振盪フラスコ中で一定速度で増殖し、それぞれの培地に応じた培養密度の最高値を高い確度で予測可能です。

図ではOD600によって追跡した6種類のよく使用される大腸菌株の成長曲線が示されています。

• OD1培地（誘導なし）は0.2% グルコース-M9培地と同様の培養密度を達成します
• OD2培地（誘導なし）は0.4% グルコース-M9培地と同様の培養密度を達成します
• OD4およびOD5培地（誘導なし）はLB培地と同様の培養密度を達成します

Silantes社では希釈して使用するための濃縮培地OD10も提供しております。

簡便な取り扱い

OD培地は従来から使用されているLB培地に似た、高い発現効率や短い培養時間といった特性を保有しています。また、滅菌済であり、抗生物質や実験で特別に必要とされる添加物を加えるだけでお手元に届いてすぐに微生物の培養にご使用頂けます。

高い安定同位体の純度

OD培地は²H、¹³Cおよび¹⁵Nのいずれの安定同位体またはその組み合わせを含む培地としても提供可能です。同位体の純度は98%以上です。

簡便な重水への訓化

OD培地を用いることで、通常必要とされる重水への訓化プロセスはほとんどの大腸菌株に関して不要です。

このプロセスは時間と経験を必要としますが、このプロセスが不要となることで迅速かつ高い信頼性をもって結果が得られます。

最適化がほどんど必要ないことと高い収率を実現することとを考慮すると、重水置換したOD培地はD-グルコースを添加した最小培地の、より優れたかつ安価な代替品と言えます。この培地は他のOD培地同様、到着後すぐにご使用頂けます。

品質管理

Silantes社の品質管理システムにより、OD培地は正しくラベルされており、無菌性を保っていることが保証されています。

アミノ酸組成

大腸菌用OD培地

Silantes社の大腸菌用OD培地は¹³C-グルコースを添加した最小培地では発現量が少ないか発現しない外来タンパク質の発現に威力を発揮します。

下図4および5ではヒトユビキチンの発現を最小培地およびOD培地で比較しています。

大腸菌用安定同位体ラベル培地製品リスト

大腸菌用安定同位体ラベル粉末OD培地製品リスト

Silantes社ではお客様ご自身での調製により適した形態として、粉末OD培地を提供しております。

酵母用同位体ラベルOD培地

酵母は高い発現率を誇るだけでなく、哺乳類細胞中で見られるのと同様に多くの翻訳後修飾を行うため、真核生物由来のタンパク質の発現に利用されています。

Silantes社のリッチ培地OD培地は、届いてそのまますぐご使用頂けます。

このため、標準的な最小培地にグルコースやメタノールを炭素源として添加する方法のように、培地の最適化を行う必要はありません。

Silantes社のOD培地は、振盪フラスコ中でのターゲットとして設定されたOD値まで酵母を迅速に増殖させます。

酵母用安定同位体ラベルOD培地製品リスト