KaLy-Cell社 肝毒性試験

KaLy-Cellでは様々なメカニズムによって生じる肝毒性を評価するため、各種アッセイサービスを提供しております。

· 脂質症:KaLy-Cellでは胆汁酸ホメオスタシス破綻を指標とするin vitro評価法を開発し、薬剤性脂質症指数(DICI)を確立しました。

· リン脂質症:細胞内リン脂質の過剰蓄積によって特徴づけられるリソソーム機能不全の評価。

· 脂質症:肝臓細胞内のトリグリセリドの蓄積に先立つ肝臓での脂質プロセッシング不全評価。

· ミトコンドリア毒性:細胞の生育を指標としたグルコースおよびガラクトース含有培地中での細胞毒性の比較によってミトコンドリア不全を同定します。

· 細胞バイアビリティ:LDH、中性レッド、MTT等を利用したシングルエンドポイントでの細胞バイアビリティ測定を行います。

· 毒性学的遺伝子制御:qRT-PCRを用いて、毒性発現による遺伝子発現の変化を観測します。

· カスタム毒性試験:肝細胞以外にも種々の細胞株を用いた試験、ご指定のエンドポイントの使用、測定点の増減等の変更など柔軟に対応します。

3D毒性評価

KaLy-Cellでは通常の2次元肝細胞を用いた評価の他、サンドイッチ培養やInSphero社GravityPLUS™プラットフォームで作製した3Dマイクロティッシュを用いた肝毒性評価試験も受託しております。KaLy-Cellの肝細胞、in vitro薬物代謝および毒性に関する知識・経験とInSphero社の革新的なプラットフォームを結合することによって、高い予測性を持った結果を得ることが可能です。ヒトまたはラット肝細胞を用いた試験が可能です。

2Dサンドイッチ培養(A)および3Dマイクロティッシュ(B)での細胞の形態。


薬剤性胆汁うっ滞評価

薬剤性の胆汁うっ滞は非臨床での検出が困難な毒性の一つです。これによって臨床試験中の副作用の発生や最悪の場合の致死的なイベントが発生することが予見できず、被験者が不利益を被るだけでなく、臨床試験中に薬剤候補化合物の脱落が生じコストの大きなロスが生じます。胆汁酸ホメオスタシスの破綻と引き続いて生じる肝臓内での胆汁酸の蓄積は、薬剤性胆汁うっ滞の基本的なメカニズムであると推定されています。
このことは、in vitroで高い予測性をもって薬剤候補化合物の胆汁うっ滞を引き起こすリスクを評価できるモデルの登場が待ち望まれていることを示唆します。KaLy-CellではKatholic University of Leuvenとの共同研究によって、92%の精度で既知の化合物の胆汁うっ滞リスクを評価できるヒトおよびラット凍結肝細胞を用いたモデルの開発に成功しました。


薬剤名 SM 発生率(%)
Cyclosporin A 8.3 5.4
Troglitazone 15.7 1.9
Ticlopidine 12.4 4.0
Chlorpromazine 10.6 5.0
Bosentan 0.2 7.7
Ritonavir 6.6 9.5

薬剤性胆汁うっ滞指数(DICI)が0.8以上であることは胆汁うっ滞リスクがあることを示します。
詳細はポスター:Oorts et al. ISSX2014、Chaterjee et al. NEDMDX_ISSX2013およびChaterjee et al.2014をご参照ください。


薬剤性肝障害予測

薬剤性肝障害を予測するためにヒト肝細胞を用いたin vitroモデル(浮遊および接着)は大変有用です。
KaLy-Cellでは424種類の薬剤を用いてデータベースを構築し、in silico薬剤性肝障害予測モデルを構築しました。このモデルを用いた評価結果は以下の通りです。
DILIポジティブ:207/247(83.8%)
DILIネガティブ:171/177(96.6%)
KaLy-Cellではまた10種類の既知の化合物を用いたin vitro評価(酸化的ストレス、ミトコンドリア障害、脂肪肝、ネクローシス、胆汁うっ滞)をヒト凍結肝細胞を用いて実施しました。この結果、90%の精度でDILIを検出できることが確認されました。現在は既知でない化合物を用いてさらなる評価が行われています(Muller et al., Combinatorial Chemistry & High Throughput Screening,in press)


DILI陽性/陰性(文献) 化合物名 DILI陽性/陰性(予測)
陽性 Diclofenac
Troglitazone
Valproic Acid
Chlorpromazine
Amiodarone
Cyclosporine
Acetaminophen
Ticlopidine
Warfarin -
陰性 Rosiglitazone -

最近の知見によると、ヒト接着可能凍結肝細胞を非実質細胞と共培養し、LPS(Lipopolysaccharide)を添加することによって炎症性ストレスによるDILIへの影響を評価可能です。


LPS刺激有無でのParacetamal(APAP)およびTrovafloxacin(TVX)のヒト接着可能凍結肝細胞への72時間暴露後の細胞毒性プロファイル