レポーター酵素とその基質



ペルオキシダーゼ基質

ペルオキシダーゼは酵素イムノアッセイに最もよく用いられる酵素で、中でも最も有名なのは西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horse Radish Peroxidase, HRP)です。

過酸化水素は電子供与体存在下でペルオキシダーゼによって水に変換されます。

このとき電子供与体として適当な酸化発色基質を用いることで、過酸化水素量を発色量として観測できます。

アルカリフォスファターゼ基質

西洋ワサビペルオキシダーゼと並んで、アルカリホスファターゼ(AP)は最も頻繁に使用されるレポーター酵素の一つです。

ウェスタンブロット法もしくは組織染色を用いて蛋白質を、サザンブロット、ノーザンブロット法およびin situハイブリダイゼーションを用いてDNAとRNAを同定するのに用いられます。

さらに、APの遺伝子phoA(大腸菌由来)は遺伝子制御を研究するためのレポーター遺伝子としてしばしば使用されます。

グリコシダーゼ基質

自然界に数多くの糖が存在することに対応して、これらのグリコシド結合を加水分解する多数の酵素が存在します。

Iris社では酵素基質の主成分となる糖類に発色/蛍光分子が結合した分子をご提供しております。

特異的なグリコシダーゼによる切断によって発色/蛍光分子が放出され、検出されます。

遊離する色素は可溶のものにするか不溶のものにするかは選択できます。

プロテアーゼ(およびエステラーゼ)基質

プロテアーゼ(プロテイナーゼもしくはペプチダーゼ)は、アミノ酸を連結するペプチド結合の加水分解を触媒する酵素です。

プロテアーゼは、一般的に水の存在下で様々な結合の加水分解反応を触媒する加水分解酵素の1種ですが、ペプチド(アミド)結合とエステル結合の加水分解の化学反応は非常に類似しているため、多くのプロテアーゼはエステラーゼ活性を示します。

その他の基質(ルシフェリン、セレンテラジン、デカルボキシラーゼ、ジヨードチロシントランスアミナーゼ)