モノマー合成に使用可能なプラットフォーム
a) アセトアミドマロン酸を経由する特殊なα-アミノ酸合成
非天然アミノ酸合成の際におそらくもっとも広く用いられ、第一の選択肢となるのがジエチルアセトアミドマロン酸のアルキル化を経る方法でしょう。この合成法はIris Biotech社においても日常的に用いられ、グラムスケールにおいて多岐に渡る類縁体を簡便に合成可能です。
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b) 不斉ストレッカー反応による特殊なα-アミノ酸合成
ストレッカー反応はアルデヒドを1炭素多いアミノ酸に変換する反応です。キラルなアミンを塩化アンモニウムの代わりに用いると、キラル誘導により片方のエナンチオマーが主生成物として得られます。
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c) オキサゾリジン-5-オンを経由するCα-メチルアミノ酸合成
α-メチルおよびCα-アルキルアミノ酸を合成する手法は複数ありますが、(2S, 4S)-4-メチル-オキサゾリジン-5-オンを用いる手法は最もよく用いられるうちの一つです。補助側鎖R’のサイズ、性質および光学配座を吟味し選択することで、化学的、光学的に純度の高いCα-アルキルアミノ酸を得ることが可能です。
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d) 不斉相間移動触媒によるCα-置換アミノ酸合成
例えば丸岡触媒を用いるような相間移動反応によるアルキル化は、1ないしは2置換アミノ酸の合成を可能にします。一般的にはこれらのビルディングブロックを導入することで、ペプチドの化学的安定性や代謝安定性が向上し、隣接する側鎖のコンフォメーション自由度が制限されます。
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e) オキサゾリン-2-オンを経由するβ2-アミノ酸合成
β2-アミノ酸は、構造要素の多様性を増加させるだけでなく、天然アミノ酸からなるペプチドのβ-ペプチド類縁体が、化学的および酵素に対する安定性が向上した同様の3D構造を形成するという事実により、非常に多くの関心が寄せられている化合物です。
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f) 置換Homo-β、γ-アミノ酸およびスタチン合成
Homo-β2、Homo-β3、およびγ-アミノ酸は、天然アミノ酸をホモログ化することによって得られます。プラットフォームのうちいくつかは、Homo-アミノ酸の全種類ならびに高級同族体および2置換誘導体β2,2-、β3,3-および対応するγ-アミノ酸を合成するために利用可能です。
生成物質に対応した残基を有する出発物質を使用し、各立体配座を正確にコントロールした目的のアミノ酸合成することが可能です。
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g) β、β-ジメチル化アミノ酸
構造的多様性と化学的および酵素的分解に対する安定化は、アミノ酸誘導体化のテーマとなっています。
アミノ酸のβ、β-ジメチル化は、α炭素の構造および立体配座が維持されながら、隣接する炭素において修飾が起こる優れた手法の1つです。
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h) フッ素化アミノ酸
フッ素化されたアミノ酸は、ペプチドおよびタンパク質に有利な生物物理学的、化学的および生物学的特性を与えるという点で非常に注目を集めている化合物です。
全ての元素の中で最高の電気陰性度を有するフッ素の独特な性質は、隣接する基にも影響を及ぼし、ペプチドおよびタンパク質の極性、親油性、特定の側鎖の酸性/塩基性およびコンフォメーションにユニークな特性を与え、安定性、折りたたみ速度および活性を変化させます。
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i) アルギニン類縁体
準必須アミノ酸であるArgは、様々な重要な代謝プロセスに組み込まれています。通常の細胞の増殖はArgの濃度に大きく依存しています。また、トリプシンによるタンパク質の分解は、典型的にはC末端側に位置するLysおよびArgから起こります。
したがって、側鎖を誘導体化することによってこれらのアミノ酸を変換することで生理学的条件での消化に対する抵抗性に強い影響を及ぼすことが可能といえます。
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j) プロリン骨格を利用した置換反応
プロリンのピロリジン環に位置する残基は、立体効果または電子的効果(もしくはその両方)を介してcis およびtrans アミド結合立体配座を誘導します。
官能基を適宜追加することによって、3種類の架橋反応に対する活性部位または疎水性相互作用といった特性を有するプロリンとして使用することが可能です。
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k) カスタムリンカー
多くのパラメータが存在するため、リンカーの設計はしばしば複雑で特異的なものになります。
Iris Biotech社では、モノマーからポリマーまで幅広い製品をご提供可能な技術力によって、お客様のご要望に適したADC用リンカーをはじめとするリンカーをご提供可能です。
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l) スペルミン、スペルミジンおよびその他のポリアミン合成
エチレンジアミンおよびその高級同族体などのポリアミンは、化学工業において重要な原料です。
プトレシン、スペルミジン、スペルミンのような化合物は、真核細胞および原核細胞の両方において重要な役割を果たし、多くの生物学的機能を示します。複数の正電荷を均等な間隔で有する構造の化合物であり、DNAにカチオンとして結合します。
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ポリマー合成に使用可能なプラットフォーム
a) PEGおよびPSRの誘導体化
ポリエチレングリコール(PEG)ならびにポリサルコシン(PSR)は二官能性の直鎖ポリマーであり、その鎖長および分子量分散度は広い範囲の値を取ります。Iris Biotech社では、これらのポリマーのそれぞれの末端に官能基を付与するためのプラットフォームを有しており、数多くの種類のホモ二官能性およびヘテロ二官能性のポリマーをご提供することが可能です。
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b) Arg、Glu、Lys、Ornを用いたポリアミノ酸の多様な側鎖合成
Arg、Glu、LysおよびOrnからなるポリアミノ酸は、PEGやPSRと同様側鎖を官能基化できるという点で多様な性質を示します。これらの化合物は生分解性である点でPEGよりも優れておりポリマー医薬の分野においてますます注目を集めています。
固有の側鎖を活用することによりポリマー医薬の活用を低分子医薬にまで拡大し、先端の併用療法を実現します。
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c) ポリ(2-オキサゾリン)(POx) - 次世代ポリマーキャリア
ポリマー医薬分野の飛躍的な発展はポリ(2-オキサゾリン)(POx)なしには語ることができません。POxはもともとヘテロ二官能性(-COOH、-N##)であるため、ヘテロ官能性のビルディングブロック設計は特に多様かつ実現しやすく、加えてポリマー自体の特性を幅広く変化させることが可能です。
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開発プロジェクトについて
特定の分子の合成経路、収量および純度を正確に予測することは非常に難しい課題ですが、Iris Biotech社では適切な生産ルートを見つけるために、標的化合物に到達するための手法を練り、研究と複数の予備実験を実施し、堅牢なプロセスに発展させるサービスをご提供しております。
一般的な課題としては下記のようなものが挙げられます
- 次代においても通用する、持続可能な製造の基礎としてのラボスケールde novo合成ルート開発
- 効率的な技術を選択しプロセスの効率を向上させるための、既存の合成ルートの最適化又は再設計
- 目的の分子を得るためのパテントフリーな技術の検索
これより複雑な課題には、受託開発契約として実施されます。
この契約には下記のような開発プロセスを含みます。
- バイオコンジュゲーション
- 分析またはマテリアル開発における特定のアプリケーションに適切な分子またはポリマーの探索
この一連の研究開発は、通常ラボスケールからバルクまでの化合物の製造を含め、持続可能でスケーラブルな合成経路の開発につながります。
コスト計算に関しましては、FTE(Full Time Equivalent)ベースおよびマイルストーンに基づくFee for serviceとなります。
お客様のニーズにあった化合物をご用意し、プロジェクトを円滑に進めるお手伝いをさせていただきます。Iris Biotech社のサービスをぜひご活用ください。
お客様の合成手法に倣ったサンプルの受託合成
緊急に入手する必要のある化合物があるにも関わらず、物理的なスペースや人的資源の不足といった問題を抱えるお客様の代わりに、Iris Biotech社の経験豊富なスタッフがサンプルを合成いたします。
Iris Biotech社は、お客様の合成プロセスを豊富な専門知識で忠実に再現、実行いたします。
プロセスに関するすべての事項は、厳密に機密保持契約によって守られます。
プロジェクトが終了した際には、Iris Biotech社の専門スタッフによって包括的に文書化された手順をお渡しいたしますので、簡便にプロセスを追跡し、再現性を保つことが可能となっています。